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新竹県の北埔(ベイプゥ ほっぽ)に行ってきました
今回は新竹で友人に会った後に、客家人が多い地域 客家の郷とも言われる北埔に行ってきました。
下の地図で、赤い線が最近「台三線ロマンチック街道」と呼ばれて人気のある地域を走る国道です。台北から高雄まで台湾の山沿いを走り、桃園から、新竹、苗栗(ミャオリィ)と客家の多い地域を走っています。
※参考:客家(ハッカ)語、客家人について

今回は新竹市からバスで約1時間、山あいに入った北埔老街に行ってきました。
北埔の辺りは、桃園のように開発が進んでないために、昔の客家の文化が色濃く残っています。歩いて回れるくらいの町並みには、昔ながらの路地や、その路地裏にちょっと小洒落たコーヒーショップなどもあったりします。

客家と言えば擂茶・・・
客家人といえば、私の場合最初に思い浮かぶのが「擂茶」です。
擂茶の「擂」という字は研磨する、磨くという意味があるそうで、食材を研磨すると体への吸収が良くなり、栄養価値が高く、保健強壮の効果があるのだそうです。
擂茶に使われるいろいろな穀物です。客家人は、中国大陸を転々と移動していたので携帯食料としてこのような穀物を持っていて、簡単な食事代わりに擂茶として飲んだりしたそうです。


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擂茶は、中国大陸を転々としていた客家人たちの携帯食でもある伝統的飲み物だそうですが、台湾では必ずしも昔から飲まれてはいなかったようです。
なぜなら台湾にやって来て定住生活を始めた客家人は、大陸の客家人のように各地を転々と移動する必要が無く、携帯食としての擂茶を持ち歩く必要がなかったからです。
客家人は、細かくすり潰した茶葉に、ピーナツ、ごまや満腹感を高めるために米も入れたものに熱湯を注いでます飲みます。
お茶の香りの上に、穀物の香りもして、暖かくて美味しい飲み物です。

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友人に勧められた擂茶店行ってみた
北埔老街では、多くの店が擂茶を出していて、自分ですり潰して作ることができます。また、擂茶の粉にすり潰したものも売っていますのでお土産に買って帰ることもできます。
友人に行くならこの店がいいと言われて行ったのが「天水茶房」 ~百年古厝 風華再現~とありますので、伝統的な建物で昔の雰囲気で擂茶が楽しめそうです。

店頭にあったすり鉢、すりこぎ棒。これでいろいろな穀物をガリガリやるのかな?

店内に入ると、なかなかいい感じ、伝統的な家屋でした。
こころなしか店内が暗いなぁと思ったら老板(店主)がやって来て、両手をクロスさせて何か言ってるんです。よく聞くと、「午後から臨時休業です。不好意思(プゥ ハオ イィス) すいません」とのこと。
「友人からここがいいよと聞いて、東京から来たんだ。擂茶飲みたかったんだけど・・・」とグズグズしてると、「日本人? じゃあ、こっちに来て」と、隣の家に連れて行かれました。
(写真の左側が天水茶房、右側が連れて行かれた家。入り口の上に丸い看板が5つありますが、”東方美人茶”の文字が一文字ずつ入っています。お茶の問屋さんだったそうです)

右側の家の土間に入ると、そこにはおじいさんが一人。

北埔で擂茶を飲みだしたのは、最近から・・・
隣の「東方美人茶」の看板がある家に行くと、天水茶房の老板と土間にいたおじいさんが何か喋っています。台湾語ではなく客家語で話していたので全く聞き取れませんでしいた。
すると、このおじいさんが、突然日本語で「日本の方ですか?まぁ、お掛けなさい。」と椅子を勧めてくれました。
この方は、蕭(シャオしゅく)さんという客家人の方で、70年前に鹿児島県の鹿屋農業学校に勉強に行ったとのこと。日本語はべらべらでした。(当時は日本の統治時代なので日本国籍でした。)

隣の天水茶房に日本人の客が来ると、老板が呼びに来て通訳させられると笑っておられました。
蕭さんの子供の頃には、北埔で周りには客家人でも擂茶を飲んでいる人はいなかったそうです。
台湾は、米も取れるしちゃんと美味しい食事ができるから、擂茶のような携帯食料を持って回る必要が無い。
ただ、ここ10年くらい前から、客家の伝統的なものが何かないかということになり、大陸の客家人は擂茶というものを飲んでいたらしいということで、一種の”村おこし”的に飲まれるようになり、今では北埔の名物になったとおっしゃってました。
その時にごちそうになった擂茶がこれです。色々な穀物の粉をお湯で溶いて、上に乗せているのはお米のあられみたいな物です。
これには、砂糖が入っていて少し甘くて美味しかったです。
天水茶房の老板が、申し訳ないからと持ってきてくれて、ごちそうしてくれました。

東方美人茶も北埔の名産
さて、蕭さんのお宅の入り口には、上述のように5つの丸い看板があり、東方美人茶と書いてありました。こちらでも、以前は薬草や東方美人茶の問屋として営業していたそうです。
この家は、当時の問屋の典型的な作りだそうで、入り口を入ると土間になっていて、3階まで吹き抜けです。2階、3階が倉庫として使われていたそうです。
北埔でも、この茶問屋の作りの家は少なくなっているそうです。
北埔は東方美人茶の主な産地です。東方美人茶は、烏龍茶の木にウンカという5mmくらいの害虫がついて、茶葉を食い荒らしその糞などが作用して、良い香りになるのだそうです。
ウンカは毎年発生するわけでもないので、ウンカが少ない年は東方美人茶は生産量が少なくなるとのことでした。
蕭さんについて簡単に書いておきます。この時85歳。生まれた時は台湾は日本統治下なので国籍は日本。日本語はべらべらです。後は客家語。國語(北京語)は得意ではないそうです。多分台湾語は話さないと思います。
70年前15歳のときに、鹿児島県の鹿屋にあった農業学校で勉強し、卒業後に故郷に帰り農業に従事。実家はお茶問屋で、有名な東方美人茶などを商いしていたそうです。
蕭さんのことは、またどこか別項で書きたいと思います。


北埔への行き方
バスで行く
北埔へは、新竹、竹東などからバスで行くのが便利だと思います。 悠遊カード使用できます。
・台鉄新竹駅前、左側の新竹客運総站から
5608又は5673下公館行き乗車(5~10分に1本)、
新竹客運 竹東 で下車(乗車約30~40分)51元。乗り換え
新竹客運 竹東 から5609,5626,5627,5610 乗車(30~40分に1本程度)「北埔」 下車(乗車約20~30分)25元。
・台鉄竹北火車站、高鉄新竹站、竹東遊客中心から
好行5700 (1時間に1本)乗車 「北埔老街」下車
竹北駅から所要1時間程度 82元
タクシーで行く
高鉄新竹站 ー 北埔老街 21Km 500元前後
竹東遊客中心 ー 北埔老街 6.5Km 210元前後
運転手に次の文を見せてください。
司機先生、請去 北埔老街、謝謝!
314新竹縣北埔鄉北埔村中正路
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