新竹新埔義民廟~台湾客家・各氏宗族の廟めぐり

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義民廟、義民祭については「台湾義民祭」をごらんください。

新竹新埔の客家の「宗廟」を見て回る

新埔(シン プゥ)鎮(ジェン=町)には、台湾の客家(ハッカ)の義民祭が行われる「褒忠亭」や、義民爺(戦の犠牲者)を祀る廟が何箇所かあります。
それとは別に力を合わせて反乱軍と戦った客家各宗族(父系の同族集団で名字を同じくするもの。一族)の廟もあります。

新埔には、陳氏、林氏、范氏、劉氏、朱氏、張氏、潘氏の7宗族の廟があって、宗廟又は家廟はその宗族の始祖から続く先祖をお祀りする廟です。

新埔7宗族廟

この地図には出ていませんが、中正路を右に200mほど行ったところに新埔鎮宗祠客家文化導覧館と義勇廟があります。そちらもご覧になるといいと思います。

ちょっと注意が必要なのは、宗廟はあくまでその宗族のためのプライベートな廟なので、観光客に公開していないところもあることです。言ってみれば「人の家の仏壇」みたいなものですので、見学するときは必ず管理している人に、挨拶して許しを得てから見学しましょう。

「ニーハオ」と挨拶して、お堂を指さして写真を撮る身振り等をしながら「可以嗎(クゥ イィ マ?)」と聞けばいいでしょう。「可以(クゥ イィ)」と言われれば「OK」ということです。

陳氏宗廟 ~ 見事な彩色と彫刻

陳氏の宗廟ではラッキーな事に、たまたま毎日の供養に来ていて、そろそろ門を締めて帰ろうとしていた陳華霖さんが「普通なら事前申し込みがいるんだけど、特別に」と、中を参観させてくれました。

同行の台湾人の友人が「わざわざ、日本から見に来た。」と言ったのが良かったみたいです。通常なら、ガイド込みで拝観料?として1グループ1000元もらってるとの事でした。

陳氏宗廟は、1871年に作られ、新埔では一番大きい宗廟とのことです。
また、台湾に5箇所しか現存しない磚彫建築(レンガを積み上げた壁等に彫刻を施した建築)の一つだそうです。

陳氏廟9

(廟の説明をいろいろとしてくださった陳華霖さん)

最初に、説明してくれたのが正殿の大門の左右にかかれた守護神の絵。「台湾でも、ここだけのオンリーワン」とおっしゃる。

守護神の部分を拡大したのが次の写真です。

陳さんが言うには「普通は、守護神は武器をもっているが、陳氏廟では、福と祿を持っている。」福は幸せ、祿とは単にお金があるとは違う経済的豊かさとの事でした。

つまり、陳家に従う者には福と禄を与えようということだそうです。いわゆる、北風と太陽の「太陽」ということでしょうね。

陳氏廟2-1

陳さんは、「新埔には、500m以内に7つの宗族の廟(陳氏、林氏、范氏、劉氏、朱氏、張氏、潘氏)があるが、ここが1番細工も細かく、手がこんでいる。」との事でした。

確かに、軒の下の部分や柱にも細かい彫刻がしてあります。魚や鳳凰の彫刻もありました。陳氏宗廟の内部も柱や壁には彩色が施されています。

陳氏廟7

幸運をもたらす鳳凰の彫刻にも、極彩色でとても見事な彩色でした。

陳氏廟

2015年に3300万元(約1億3千万円)かけて修復したとのことです。

陳氏廟10

陳氏宗廟
開館時間:火曜~土曜 9:00~16:00 日曜~月曜休館

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劉氏家廟 ~ 漢王朝の劉邦の祖父を始祖とする格式高い家廟

劉氏家廟には「私は元日本人」とおっしゃる劉さんがいらっしゃいました。

戦争が終わった年に中学を卒業して、日本の統治が終わると共に、日本国籍から台湾籍になったということです。

劉氏廟6

この廟が建てられたのは1867年です。劉氏家廟には、彩色などのきらびやかさは無いものの、歴史を感じさせるなにかどっしりしたものを感じました。

劉氏廟2

それも道理で、劉家の祖先は中国の秦を滅ぼした漢王朝の始祖 劉邦のおじいさん劉栄だそうです。

真ん中の一番上にあるのがその方の位牌だと思います。

劉氏廟4

劉氏家廟は、「三多」としても有名で「扁額多」顕彰を受けた額などが多い、「燕子尾多」ツバメの尾のようになっている屋根が多い=経済的に裕福、「功名多」手柄を立てたことが多い、ということだそうです。

「扁額多」:このような額が沢山かかげられていました。「源は遠く、流れは長く」と劉家の歴史の長さを表現しています。

表門にも「高祖(劉邦)の善徳を~、皇訓(皇帝の教え)を、世に永く伝え~」などと書かれていました。

劉氏廟5

「燕子尾多」:屋根の端が反り上がっていて、ツバメの尾のように別れています。このような飾り屋根が多いほどお金がかかった建物だということで、つまり裕福な宗族であるということだそうです。

また、この屋根は客家に特有なものだそうです。

劉氏廟9

劉氏家廟

開館時間:火曜~土曜 9:00~16:00 日曜~月曜休館

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林氏家廟  ~ 屋根が高く、燕尾が優雅な宗廟

林氏家廟は、この時(2018/9)は既に門が閉まっていて中に入れませんでした。

見学には、予約がいるとのことです。

外観は、2階建てで建物自体は大きいと思いましたが、陳氏宗廟や、劉氏家廟のような彩色、彫刻や額等は見当たりませんでした。

ただ、新竹氏政府の客家委員会の資料には、屋根の燕尾の反り具合、カーブの優雅さや内部には「忠孝家風」、「尊祖教宗」、「孝德傳芳」、「五代同堂」、「耀祖榮宗」、「祖德垂蔭」等の扁額もあり、客家の宗廟の特色を良く表しているとのことです。

林氏廟3林氏廟1

林氏家廟の建設は、1917年(大正6年)で他の宗族に比べて新しいのは、林氏の廟は「公廳(こうちょう)」だったからだそうです。

「宗廟、家廟」は、漢の時代とか、唐の時代の宗族の始祖からの先祖をお祀りしていますが、「公廳(こうちょう)」は、台湾に渡って来た頃からの先祖をお祀りしているのだそうです。

新埔の他の宗族では、すでに清の時代には宗廟・家廟を建設していました。

それで、林孔昭さんという方が発起人となり、台湾各地の林氏に呼びかけて募金を募り、「家廟」を建設したんだそうです。大変な資金がかかったと思いますが、これも他の宗族に対する「メンツ」なんでしょうね。きっと。

資料によると、林氏家廟には宗族だけではなく、媽祖や義民爺(戦死した家来・郎党)も一緒に祀られていて、この点が他氏の宗廟と違っている特徴だそうです。

林氏家廟

開館時間:火曜~土曜 9:00~16:00,參觀前に預約。日曜、月曜休館

范氏家廟 ~ 修復工事中でした

范氏家廟は、工事中でした。

路地を入った奥にありちょっとわかりにくい場所です。林氏家廟と同じで、特に彫刻屋額等は見当たりませんでした。資料にある以前の正殿の外観と、修復中の外観はかなり違う印象です。

正殿の入り口は「三関六扇門」という形式で、扉を開けると即、祭壇になっているそうです。

范氏は、1703年に今の広東省から台湾に渡ってきて、新埔の開発、発展に尽くした家だそうで、家廟の創建は1860年。新埔では最も早く建てられた廟とのことです。

范氏廟P1070110

范氏の始祖「范 仲淹」は、10世紀の北宋の政治家で、後楽園の名前の元となった「先憂後楽」などの言葉を残した人だそうです。

范氏廟P1070109

※ 范氏家廟は、残念ながら未公開のようです。(2018/12)

朱氏、張氏、潘氏の廟は未公開

朱氏、張氏、潘氏の廟は部外者には未公開だそうです。今回は夕暮れになり、外観も見に行く時間がありませんでした。

新埔の七氏の廟はすべて新竹県政府が文化的に価値がある古跡として保存修復工事を行っています。

最近、客家(ハッカ)の独自の文化にスポットライトがあたっています。

毎年夏に行われる台湾義民祭は台湾客家の1つの大きなイベントです。時間があれば、新竹県新埔に足を伸ばしてみるのもいいかもしれません。

新埔鎮への行き方

台鉄の新竹駅、竹北駅又は台湾新幹線(高鉄)新竹駅下車後、バスかタクシーで行くことになると思います。
バスの本数は、あまり多いとは言えないようです。

バスで行く:

台鉄 新竹駅 :
「新竹客運新竹站」から新竹客運5618,5619,5620,5621乗車。20~30分に1本。新埔鎮(町)の「分局前」「広和宮」「第一市場」「市場前」等で下車。所要1時間10分程度 45元。

台鉄 竹北駅 :
改札を出て左側(コンビニがある方)の出口(西口?)に出ます。(ついでですが、この駅のコンビニはクチコミ評価1.3と無茶苦茶低いです。)

・新竹客運5618,5619,5620:駅前の和平街を右に200mで中正東路、中正東路を左に「天后宮」バス停まで300mです。20~30分に1本程度。「天后宮」乗車後、所要約50分。 26元。

・新竹客運5621:中山路を博愛街まで歩いて「竹北」か「泰和」から、乗車。二中は1~1.5時間に1本程度 所要50分程度。
尚、5621の路線は、途中、褒忠亭を経由して新埔に行きます。褒忠亭による場合は、「義民廟」で下車してください。「義民廟」まで20分くらいです。

タクシーで行く:

台鉄 新竹駅から: 13~14Km 350元前後
台鉄 竹北駅から: 9~10Km 265元前後
高鉄(新幹線)新竹駅から:7~8kM 250元前後

運転手に次の文を見せてください。

司機先生、請去 新埔鎮中正路的「陳氏宗廟」前、謝謝。

新埔陳氏宗祠

新竹縣新埔鎮中正路510號

参照資料(中国語):

新竹県政府文化局

新埔宗祠博物館

客家委員会

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