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台湾で話されている言葉は・・・
現在の台湾で話されている言葉は、中国語なんですが、台湾では「國語」(国ではなくて國ですね。)といいます。
台湾華語と言う言い方もありますが、要は大陸で話される北京語ベースの普通語とは違うぞ、ということだと思います。文字も中国や日本のような略式漢字ではなくて、繁体字と言って昔の正式な文字です。
國語が話されるようになったのは、日本が戦争に負けて台湾を去り、その後に国民党政府がやってきてからです。その前に話されていたのは、公の場では日本語、家庭では台湾語だと思います。
日本語? そうなんです。台湾は日本が日清戦争に勝って清国から割譲されました。明治時代1895年から1945年まで約半世紀の間日本の領土でしたから・・・
台湾語は、中国語の中の福建省あたりの方言、閩南(みんなん)語で、明の時代に福建省から移住してきた今の台湾人の先祖に当たる人たちが話していた言葉です。
現在の台湾人は、これら福建の人たちと明や清の時代などに、漢文化による同化政策によって、台湾の平地に住んでいた平埔族の人たちが、漢人(文化)化していったようです。
閩南語は今でも福建省や、台湾、シンガポールで話されています。福建省以外の大陸出身の中国人は理解できないそうです。
ニュースなどで聞く中国語とは随分感じが違います。ぜひ聞いてみてください。
教師がスーパーマーケットで、商品の名前を台湾語でなんというか教えています
公視台語新聞(公共テレビ台湾語ニュース)
国民党政府は台湾語の使用を禁止した
日本が戦争に負けて引き上げた後に、大陸で中国共産党との争いに敗れて台湾に逃れて来た国民党政府の人たち(外省人)は、台湾語が理解できないため、公の場で台湾語を話すことを禁止して、学校教育も全て國語でおこなったそうです。
それで、子供たちはその内、台湾語が話せなくなり、國語がわからないおじいちゃん、おばあちゃんは孫達との意思疎通が出来ないことが本当にあったりしたそうです。
故・李登輝総統の頃から、学校でも台湾語を教えるようになったようですが、台北など北部の若い人たちはあまり台湾語は話せないようです。
台湾の南部の方は、逆に台湾語を話せる人が多いです。外省人が比較的北部に多かったことの影響でしょうか。
さて、國語と台湾語がどれくらい違うかというと、私が知っている言葉だけですが。
意味はどちらも同じです。
・國語 :チュイナーリ、チーシェンマ?
・台湾語:キードゥーイ、ジャァシャミ?
・國語 :プーヤオクーチー、ジンライ!
・台湾語:ムベンケーキー、リブライゼー!
・國語 :チィファンラマ?
・台湾語:ジャパァブェ?
答えは、最初が、どこで、何食べる? 次が、遠慮せずに、お入りなさい! 最後は、ご飯食べた?です。
これは、わからんわ。
随分前に、日本映画で「モーマンタイ」というのがありましたが、これは広東語です。
台湾語では「ボーモンティ」、國語は「メイウェンティ」と発音します。
漢字は「没問題」で同じです。台湾語は話し言葉なので、台湾語独自の文字はありません。
台湾人の3没(メイ)に注意
ちょっと話がそれますが、「没問題」という言葉が出たついでに、駐在時代に台湾人の同僚のマネージャーから教えてもらったことです。
台湾人の部下の言い訳の「3没(メイ)」というのがあって、
業務の案件について部下に質問すると、
最初の内は、
1.没関係(メイ・クゥアンシー)「大丈夫ですよ、関係ないです・・・」
少ししたら、
2.没問題(メイ・ウェンティ) 「問題ないですよ。・・・ 」
そろそろ答えが出てもいい頃になると、
3.没辨法(メイ・バンファー) 「もう、どうしようもありません。出来ません・・・」
となるというものです。
そして、彼が私に「部下の言い訳には注意しておいた方がいいぞ。」と忠告してくれました。
数か月して気が付くと、その同僚も私も、上司に対して「3没(めい)」の言い訳の連続でした(笑)。
こういう言い訳は、「万国共通」のようです。
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客家(ハッカ)語というのもある。
もう一つ客家(ハッカ)語というのがあります。
これは元々は河南省あたりに住んでいて、戦乱を避けて中国大陸を点々と移動しながら広東省あたりに住み着き、そこから更に福建省、台湾やマレー半島、フィリピンなどに流れていったというグループが話している言葉(中国語方言)です。

客家というのは、よそ者(=客)という意味ですが、敵からの防御のために、グループのための住宅を直径何十mものドーナッツ型に作って(円楼)、独特の文化を持っていたグループです。

最近は台湾人と結婚したりして、客家語が話せる客家人も少なくなっているそうで、教育のため客家語によるテレビ番組も放送されています。何を言っているか全く聞き取れません。
※興味があれば 客家電視 HakkaTV
客家人は”後から来た人たち”なので、條件の良い平野部などはすでに台湾人が住んでいて住めず、山は原住民のテリトリーなので、平地と山の境目の環境のあまり良くないところに住むことが多かったようです。
そういう訳で、客家人は団結心が強く、質素倹約、働き者で子供の教育に熱心なんだとか。台北駐在時に客家の同僚がいて「俺たちはチャイニーズジプシー」と言ってました。 教育程度の高い人が多いらしく、中国、シンガポールや台湾、フィリピンでも首相や政府高官になった人が多いそう(同僚曰く)

※中国革命の父、孫文も客家(はっか)※
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4ヶ国語のアナウンス?
台北に行って、MRT(地下鉄)に乗ったら、駅名のアナウンスがありますので注意して聞いてみてください。
駅名が、國語、台湾語、客家(はっか)語、英語と4回流れます。といっても、聞き取れないんですが・・・。
ホテルでテレビ見てて、「あ、中国語だな」と思ったら國語。
なんかやたらに語尾に「・・・きー、・・きゃっ、・・・きゃん、」と聞こえたら台湾語。
客家語は、専門のテレビ局があるので試しに見てください。
客家の人口は少なく、客家語を話す若い人も多くないので、このままでは喋れる人がいなくなるかもしれません。
そんなこともあって、客家語専門テレビチャンネルが始まったようです。
夜市の屋台の大将とか女将さんは、大体台湾語で話してると思います。
あとは、台北では萬華、龍山寺、迪化街のあたりとかは台湾語が聞こえますが、中山北路などの街中では國語が聞こえる事が多いように思います。
台南、高雄等の南部に行くと、街中でも台湾語が聞こえてくることが多かったように思います。
※ TAIWAN+からですが、大河ドラマ「斯卡羅SEQALU: Formosa 1867」には、台湾語、客家語、原住民語、英語が出てきます。
蛇足:日本人はなぜ「北京」をペキンと言うか?
中国の首都「北京」は、中国語発音では「ベイジン」英語でも「Beijing]ですが、日本では「ペキン」ですよね。(ここからは、駐在時代に聞いた話ですので学術的に正確かどうかは保証の限りに非ず。)
先程書いた台湾語の元となる福建方言は、中国語の古い時代の発音が残っているらしく、現在の中国語の発音とは異なるところが多いです。
台湾語では、台北を「タイペイ」ではなく「タイパック」。京を「キャン」と発音するので、北京は「パッキャン」南京は「ナンキャン」。
これが訛って日本ではペキン、ナンキンとなったとか。
台湾語は話し言葉なので文字がなく(音の当て字はあります)地名も日本人が、日本の発音で漢字を当て字したところがあるらしいです。
北海道のアイヌ語の地名に日本人が漢字で当て字したのと同じですね。
台湾第二の都市高雄は、昔は「打狗(ダーガオ)」と言っていたそうで、日本人がその音を聞いて、漢字で高雄と当て字をしたそうです。少し北の「ターミャオ」というところには民雄と当て字したそうです。
「タイパック」は台北、「モンガァ」は萬華といった具合です。
ところが日本が戦争に負けて台湾を去った後に来た国民党政府は、それをそのまま中国語読みにして、今では「高雄=カオシュン」「民雄=ミンシュン」「台北=タイペイ」「萬華=ワンフア」となっています。
そんな訳で、と、いきなりまとめに入りますが、台湾で習う中国語は大陸とはなんとなく発音が違うらしいです。
台北駐在時代には、台湾では私の中国語もそこそこ通じていたんですが、ある時、家族と旅行で上海に行ったときには、何度も何度も聞き返されました。
北京官話ではきちっと発音するところが、台湾國語では曖昧になっていたりするらしく、日本人が適当に発音しても台湾ではなんとなく通じることもあります。
年配の外省人(戦後台湾に来た中国人)は、そういうところがいやな人もいて、発音を直してくれたり、覚えた台湾語で話してみたりすると「台湾語は分からない。」と言われたりすることもありました。
この辺のところは、参考情報:本省人、外省人、原住民、親日的なのは・・・ ~ 台湾人のグループ を読んでいただいて、なんとなく雰囲気をご理解ください。
(2017/4/26)
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