目次
台湾人のグループ
台湾には大きく分けて、次の4つのグループがあります。
本省人
明や清の時代に、大陸から台湾に移り住んできた福建省出身者の子孫、いわゆる台湾人と言われる人たち。
主に福建省の方言である閩南語(みんなん語)=台湾語を話しますが、若い人は台湾語を話せない人が多くなっています。 約74%。
※(2021/06)最近読んだ本によると、この74%の人達は中国大陸から来たのではなく、もともと台湾に住んでいた平埔族(平野部の原住民)がほとんどだったそうです。遺伝子の研究などでも、中国大陸よりも、マレーポリネシア系、マオリ系との関係が深いことが分かったそうです。(出典:藤井厳喜&林建良『台湾を知ると世界が見える』p.52、p66 ダイレクト出版 2019 )
客家人
本省人には清の頃に、主に広東省のあたりから移住してきた客家(ハッカ)人約12%が含まれます。
客家人は、古代の中国大陸の中心地域から戦乱を逃れて移動してきた漢民族のグループで広東省から香港、シンガポール、フィリピン。福建省から台湾などに移動して来ました。”客”とは、よそ者という意味だそうです。
平地は、すでに台湾人が支配していたので、北部の桃園・新竹・苗栗や高雄の美濃などの山あいの地区に固まって住んだそうです。
客家語という独自の言語や習慣を保持していて全世界に5千万人いると言われています。若い人は客家語を話せる人も少なくなっています。
※客家についての参考記事:台湾客家(ハッカ)
外省人
もともとは中国大陸に住んでいた中国人のグループです。国民党軍として日本軍と戦い、日本の敗戦後、今度は中国大陸で中国共産党との内戦闘争に敗れ、1949年以降に台湾に逃れてきた国民党軍の軍人、兵士その家族関係者などです。
中国語を話し、台湾語や客家語を話せる人はほとんどいないようです。約12%
原住民
もともと台湾にいた先住民族のことです。原住民という呼び方は、元々住んでいたということを示す為に、自ら選んだ呼び方だそうです。 約2%。
現在公認されている部族は、タイヤル族(泰雅族) タロコ族(太魯閣族)アミ族(阿美族) ブヌン族(布農族)など16部族。これ以外に公認されていない部族が14部族あるそうです。
これらの部族は言語も違って共通言語もなかったので、日本統治時代に初めて日本語が共通言語として話され意思疎通ができるようになったそうです。
参考資料:台湾では、日本語と台湾語が話されていました。
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台湾人自らのアイデンティティー
台北に駐在していた頃、私が覚えたカタコトの台湾語で話しかけると露骨に嫌な顔をする年配のマネージャー秘書がいました。
彼女は自分のことを「私は中国人だ。私の父は、国民党軍の高級将校で中国の為に戦ってきた。私は台湾人ではない」と言っていました。
全く逆に「私は、台湾人だ。中国人ではない。」という人がいることに気が付きました。
前者は外省人、後者は本省人です。
その後、若い世代では外省人であっても「自分は台湾人」と言う人が増えていると聞きました。
本省人、外省人という言い方は、今でも意味があることかどうかわかりません。
ただ、外国人である私達日本人から持ち出す話題ではないと思います。
台湾の人は、親日的か?
よく台湾の人は親日的と言われますが、全体としてはその通りだと思います。
台湾の人は、日本人には親切に接してくれるように感じます。
特に、日本統治時代に生まれて育った人(大体80歳以上の本省人)は、日本人として生まれ、日本国籍で日本式教育を受けた人たちです。日本語も喋れるし、概ね日本には好意的です。
しかし、残念ながらこの世代は高齢で人口も年々減少し、やがていなくなってしまいます。日本が台湾から去った後に、台湾で生まれ育った本省人の世代も、親の影響もあって大体は親日的だろうと思います。
外省人は、中国大陸で日本軍と戦って痛めつけられた国民党軍系の人達が中心です。
太平洋戦争後に、大陸で今度は中国共産党軍と戦って敗れ、台湾に逃れてきたという背景があります。
身内に日本軍と戦ってなくなった人も多いでしょうから、親日的かどうか、本音のところではどうなんだろうと思います。
また、国民党政府は徹底して反日教育をしたので、太平洋戦争後に学校教育を受けた人も、その教育の影響があるかもしれません。
若い世代は、本省人も外省人も過去の歴史はもうあまり気にしていないだろうとは思います。
台湾で日本に対する憧れや興味が強い哈日族(はーりーず)(日本大好き族)という言葉が生まれたこともありました。
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台湾に行ったら、ちょっと気遣いしてほしいこと・・・
私は、台湾の人が親日的なのは、
・日本人が礼儀正しいこと、
・あちこち痰や唾をはいたりしない
・大声でしゃべらない、
・ゴミをポイ捨てしたりしない
などのマナーの良い行動が影響しているところが大きいと思います。
どこの国でも、外国人がその国の人や文化を尊重せずに、傍若無人にふるまうのは嫌がられると思います。
ちょっと注意してほしいこと:
台湾には、日本語を勉強している人や片言でも話せる人は結構います。
夜市などで、
・「え~、こんなもの、食べてるのぉ~?」
・「こんな所で、食べるの?」
・「臭い!」 等と言うのは、ちょっと止めておいた方がいいと思います。
夜市には、台湾人の好物の臭豆腐(チョウドウフ)といって、豆腐を発酵した汁に漬け込んだかなり臭い豆腐(くさやみたいなもの)を売ってます。
臭豆腐は、確かに臭いです。私はもう臭いには慣れて好物なんですが・・・。
でも、いつだったか夜市の屋台で臭豆腐を食べていたんですが、私の後ろで「くさっ!よくこんなものが食えるよねぇ」とか言ってるのが聞こえました。
日本人のカップルでした。更に、彼氏の方が彼女に「こんな所(夜市)では、食べないほうがいいよ。」
こんなこと言われて結構ムカつきました。台湾の人も、言葉分からなくても、態度でわかりますよね。
街中で
・「バカヤロー」「コノヤロー」日本統治時代からの悪い言葉として通じるので、要注意です。
年配の人は、日本人から受けた仕打ちを思い出したりするかもしれません。
・「ワンパターン」これは聞いた話ですが、発音が「王八蛋(ワンバータン)」に似ている。
王八蛋とは、辞書によると「(人を罵倒する極めてひどい言葉)ばか野郎,畜生」だそうです。ついでに、その辞書に「アンポンタン」の語源とありました。
言うと喜ばれること:
・「謝謝」発音は(シエシエ)です。(シェイシェイ)という人がいるのですが、
これだと誰誰に聞こえます。ゆっくり目に「シエ、シエ」というとよいと思います。
夜市などでは、「感謝!」(ガムシャー:台湾語)、「多謝(ドゥォシャ)」と言うと
「お、この日本人、台湾語喋った!」と受けるかも。
・「かわいい!」完全にそのままで通じます。
・「好吃」(ハオチー) おいしい。台湾語では(ホウジャ)です。
夜市でお勘定の時に(ホウジャ、ホウジャ、ガムシャー)とか言うと、大喜びするかも? 日本でも外国人が、一生懸命日本語を話そうとしていると嬉しくなりますよね。
是非、簡単な中国語や台湾語を覚えて使ってみて下さい。そのことで、日本人に対する親近感が増すことになると思います。
(2017/04/14)