台湾の歴史ドラマ、必見です!「斯卡羅Seqalu: Formosa 1867 」

※かなり長いです。でも本当に面白かったです。
※見直してみると、簡単な要約だけではストーリーがよく分かりませんね。ネタバラシになる部分も含めて、もう少し詳しく説明加えたいと思います。
※何せ、画面を一時停止しながら、辞書片手に英語の字幕を読んでますので時間がかかります。www

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TAIWAN+のドラマ斯卡羅Seqalu:Formosa 1867 全12話公開中

先にご紹介したTAIWAN+で、台湾の歴史ドラマというか実話に基づいて描かれた「斯卡羅Seqalu:Formosa1867」。当初は全話を無料公開する予定ではなかったようですが、Youtubeで全12話が無料で見られるようになっています。(斯卡羅の発音はスカロゥと聞こえます)

6話までは見ていたので、7話以降12話まで立て続けに見てしまいました。

いやぁ、面白かったです。日本語の字幕がないので内容がイマイチわからないところもありますが、英語の字幕を分かるところだけ見ても楽しめました。ネタバラしにならない程度に要点だけ書いておきたいと思います。

ただ、字幕見ながら感じたことがメインですので、理解できてないことも多いと思います。その辺はご容赦ください。

主な登場人物

タイトルの「斯卡羅Seqalu:Formosa1867」の、斯卡羅Seqalu(スカロゥ)とは当時原住民が支配していた台湾南部の地域名。1867は、この年に起きた斯卡羅の原住民が、難破したアメリカ商船のローバー号の船員たちを侵略してきたと勘違いして、殺害した事件を表しています。

日本語の説明がなく、誰が誰か分かりにくいので、主な登場人物をまとめてみました。
役名と読み方を書いてみましたが、台湾語、客家語は発音が聞き取れないところも多いので、普通語の発音です。また、名前があるのに名前を呼んでない(例えば「叔父さん、叔父貴」のように)場合もあります。
※画像は公式のFacebookからです。

ストーリーの中心人物

蝶妹(Tiap-moe ティアメイ/ティアモイ) 英語では「Butterfly」と呼ばれている。原住民の母が、客家人の父と駆け落ちしたため部族からは仲間と認められない。自分は客家人だと言うが、台湾人や客家人からは原住民だと差別される。パイワン語、客家語、台湾語、英語を話すのでアメリカ領事の召使、通訳として、原住民の住む山へ嫌々案内させられる。
族長の一族なので、後半、「貴族Royalty」と字幕がついている。
出演:溫貞菱(ウェンジェンリン)

Charles Le Gendoure(ル・ジャンドル 李仙得(リィシエンドゥ))アメリカの市民権を持つフランス人で福建省厦門(アモイ)のアメリカ領事。厦門から台南府にアメリカ人船員の捜索を要請に来た。やたらに、「秩序と文明を教えてやる」という上から目線で台湾人、原住民に接する。召使に背広を着せて、ナイフとフォークで食べ物を食べさせて「これが文明だ」みたいなことを言っている。(笑) 出演:法比歐(ファビオウ

William A. Pickering(ピッカリング)イギリス人貿易商。
もと蝶妹の雇主。台湾に愛着がある。ルジャンドルには反感を抱くが、中国語、台湾語の通訳として捜索に同行する。ただ、召使いの蝶妹に「薬局に仕事を紹介してやったんだから紹介料よこせ」みたいなこと言って、酒代をもらったりしている。(セコぃ) 出演:周厚安(チョウホウアン)

原住民の族長

原住民(パイワン族)は18の部族の集合体で、各部族長の中で現在は卓杞篤(トキトウ)が族長。彼らが治めているのが台湾の南部の斯卡羅Seqalu(スカロゥ)、現在の恒春あたりです。

卓杞篤(Tok Kitok トキトウ)
豬朥束(ジュラオシュ?)社(族)の族長。また原住民18部族全体の斯卡羅の族長でもある。亡くなった蝶妹の母、瑪祖卡(マツカ)は妹。
勇者として戦も辞さないが、アメリカ領事との間で最後には条約を結び、友人となる。
出演:查馬克・法拉屋樂(チャマク・ファラウラ) 
この人は原住民で、俳優ではなく小学校で伝統歌謡を教えている教員だとか。残念なことに2021年8月19日42歳の若さで亡くなりました。
追悼音楽会の様子です。

伊沙(Isa イサ)
射麻里社(族)の族長、斯卡羅では卓杞篤に次ぐ地位に ある。卓杞篤が台湾人に貸した自分の領地「統領埔(TongLingPu)」を漢人から取り返そうと思っている。婚約していた卓杞篤の妹、瑪祖卡(マツカ)は漢人と駆け落ちした。卓杞篤とは意見が合わないこともあるが最後には部族のために立ち上がる。
出演:雷斌·金碌兒(レイビン・ジンルゥァ) 
この人も、実際の原住民で陶芸家です。

※ 原住民という言い方は、元から住んでいた住民という意味で彼ら自身が選んだもので、差別的な意味合いはありません。ただ、劇中では、西洋人や閩南人、客家人も裏では結構ひどい言い方でパイワン族のことを呼んでいるそうです。

※中国語の字幕で、原住民のことは、生番(セイバン)と表現されていますが、社寮の平埔族は熟番(じゅくばん)と表示しているときがあります。生番は山に住んで清に服従していない原住民。熟番は平地に住んで、漢人化している原住民のことです。

原住民支配の山の麓に住む平埔族、閩南人、客家人のグループ

原住民からは、台湾人、客家人はひっくるめて「Han Chinese」「漢人」、西洋人は「Blue Eyes」「藍眼晴」と字幕に表記されています。

水仔(Shui-A シュイア)
台湾人と原住民のハーフで平埔族(平地の原住民が漢人化したグループ)のリーダー。原住民と漢人の両方から「土生仔=混血」と蔑まれている。原住民のために交易をして、原住民の領地「社寮(Sia Liao)」を借りている。3グループで1番弱小。漢人のグループ内では不利なので、原住民側につくことで、柴城や保力に対抗しようとする。原住民と客家人、台湾人の通訳もする。自分達の借地をより良い「統領埔(Tong Ling Pu)」にしてもらおうと思っている。後半は清国軍と原住民の板挟みになることも。
出演:吳慷仁(ウーカンレン)

朱一丙(Zhu Yi-bing ジュ イィピン)
福建省から渡ってきた閩南人(台湾人)の村「柴城(ChaiCheng)」の長。3グループで最大。原住民からも、清国からも独立してして支配を受けたくないと思っている。進軍してきた清国軍に駐屯地を提供して原住民からの攻撃を牽制しようとする。出演:雷洪(レイホン)

林阿九(Lin a-jiu リン アチョウ) 劇中ではアガァと呼ばれています。原住民の領地「保力(Bao Li)」の土地を借りている客家人グループの長。
客家人は大陸で定住地を持たず、台湾に流れてきた。客家とはよそ者の意。朱一丙とは争いながらも、一緒に組んでよりよい場所「統領埔(Tong Ling Pu)」を原住民から借りたいと思っている。しかし柴城の朱一丙に、川の水を上流で止められて困っている。出演:夏靖庭(シアジンティン)

※ 言語について、朱一丙は閩南語(≒台湾語)のみを喋っています。林阿九は、主に客家語を。閩南語も。第1話では伊沙(イサ)とはパイワン語を話していた。水阿は、閩南語、客家語、パイワン語を話している。
朱一丙の閩南語と比較して聴き比べると、客家語との違いがわかると思います。
清国軍の劉明燈将軍は、北京官話だと思います。

周りを取り囲む出演者たち

阿杰(A Jie ) 蝶妹の弟。劇中では「アカァ」と呼ばれているように聞こえる。父親の林老実と、賞金をもらうために船員を台南府に連れて行く途中で父親は何者かに殺される。幼少時に別れた蝶妹と再会するが、街の生活に馴染めずに最後は山に戻る。卓杞篤(トキトウ)の娘の烏米娜(ウミ)に好意を寄せられて、斯卡羅の戦士になるべく訓練をさせられる。
出演:黃遠(フアンユエン)

劉明燈将軍(Liu ming–deng リュウ ミンドン)
台湾府清国軍の将軍。アメリカ領事と一緒に船員の捜索に行くことになる。領事のルジャンドンは原住民に秩序や文明を教えると言うが、劉将軍はそんなことはできないので、本心では原住民の征伐をしたいと思っている。
出演:黃健瑋(フアンジエンウェイ)

道台(Dao Dai ダオダイ) 清国台南府の知事。道台は多分職名。賄賂に目がないと言ったいかにもと言う感じの役人。原住民との争いなどには関わりたくないが、船員救助の賞金の6割をくすねようと画策したりする。
アメリカ領事に「北京の朝廷に‥」と言われて態度急変、劉将軍に捜索隊を出すように命令を出す。領事にもアドバイザーとして同行を許す。
出演:王振全(ワンジェンチュエン) この人は中国漫才(相声)の漫才師で、Youtubeで見ると日本の漫才の阪神巨人の巨人のようなスタイルと思いました。

人物相関図

部族、漢人の集落の位置関係

3つの集落、原住民、の位置関係が分かれば理解しやすくなると思います。

下の地図と合わせて見ていただくと、社寮、柴城、保力の3つの集落は5~6Kmの間で角突き合わせて生活していたことがわかります。

山は原住民の領地なので社寮、保力は平地の狭いところを原住民から借りて暮らしています。

3集落共、水の比較的豊富な統領埔を原住民から借りたいと思っています。

現在は保力が借りていますが、その借用期間がまもなく切れます。

同じ物ですが、GoogleMapで、正確な距離感がよく分かると思います。

ローバー号の遭難、台南府での交渉、捜索隊 第1話〜第3話

第1話 The Sea Wind(海風)

話はここから始まります。嵐で難破したアメリカの商船の乗組員が、救命ボートで上陸した地点が原住民の支配地域でした。台湾の最南部、恆春の地域です。

原住民(パイワン族)の巴耶林(パヤリン)たちは、アメリカ人が侵略してきたと勘違いして彼らを殺害してしまいます。それは、昔、二百年前にやってきたオランダ人たちが、原住民の村を襲い村人を殺害。その時生き残ったのはわずかに5人だったということがあったためです。

それ以来、白人(The Blue Eyed)に対しては復讐するという気持ちがベースにあります。

社寮は3集落で唯一港があり、物資や食料はここに水揚げされます。それらの物資を原住民と交易することを条件に、原住民から社寮のリーダー水阿(シュイア)は土地を借りています。

統領埔では、保力と柴城が水源を争っていさかいを起こしています。その場所に社寮の水阿から知らせを受けた原住民の伊紗(イサ)が現れ、争いを止めます。

洋人を殺して復讐したと得意げな巴耶林のところに卓杞篤と風祭師が来て「ここには先祖の霊がいない。女を殺したから悪いことが起きる」卓杞篤は巴耶林に女の首を元のところに戻してこいと怒ります。

3集落のリーダーが話あっているところに伊紗(イサ)が現われ、新しい部族長の朱雷に変わったら、統領埔は今後は貸さないと言い、統領埔に建物が残っていれば、また人が戻ってくるから全部燃やしてしまえと命令します。伊沙は水阿に「漢人は雑草だ。そろそろ抜かねば・・・」と。

火をつけられた統領埔では林老実が「最初は客家人に家を焼かれ、今度は閩南人に家を焼かれた。台南府に蝶妹を探しに行こう」そう言っているところに生き残った船員が助けを求めてやって来ます。 

林老実(蝶妹と阿杰の父)は、賞金をもらうために生き残った船員を阿杰と台南府に連れて行こうとするが、その途中で牛泥棒に撃たれて殺されます。

第2話 The Blue-Eyes (青い眼=白人)

福建省厦門の米国領事館に米海軍のベル提督がルジャンドル領事を訪ねて来ます。いろいろな頼みごとや、ローバー号の難破のことと船員の家族からの救助要請のこと等を伝えます。

その間のベル提督のルジャンドル領事に対する嫌味のすごいこと。「南北戦争で戦ったらしいけど4年の内半分は病院のベッドの上だったらしいな?どうやってベッドから指揮したんだ?しかも准将に出世したんだって?まぁ、アメリカ人はフランス人には寛大だからな。(頼み事を断られると)どうせフランス人は・・・」こんな感じの悪態の連続です。

場面が変わって、蝶妹とピッカリングが弟の阿杰を探しに山道に入って行くと、原住民に捕まった弟と難破した船員を発見。蝶妹は弟だけ返してもらえばいいのですが、ピッカリングは船員救助の賞金がもらえるので「ノー、二人だ。二人。」と。そして蝶妹に対して「なんて自分勝手なんだ」みたいなことを言いますwww。

船の難破を知ったアメリカ人領事のチャールス・ル・ジャンドル(李仙得 領事)は、厦門から台南府にやって来て、友人のピッカリングを探します。船着き場でピッカリングを知っている女性が蝶妹でした。

領事のルジャンドルは清国の知事に船員の捜索と救助を要請します。ところが驚いたことに、 清国の知事は「事件が起きた場所は、清国の支配が及ばない地域だ。」と言うのです。

つまり、事件が起きた場所は清国ではないから捜索隊は出せないということです。その後、英国領事がルジャンドルに、知事の上司である福建・浙江総督に手回しして圧力をかけてもらうと良いとアドバイスをもらいます。それで、知事は態度を変え、表向きは捜索隊を出すことに同意します。

※この「清国の支配の及ばない地域」という点は「台湾は不可分の領土」と言ってる人にとっては大問題ですね。つまり、清国から引き継いだ領土には、台湾は含まれていないと言うことになるからです。

※それと、このアメリカ人領事はやたらと「台湾人に文明を教えてやる。野蛮人に秩序と文明(order & civilization)を教えてやる」と言うのが鼻につきます。

第3話 The Servant(召使い)

この第三話はすごく分かりにくかったです。話の脈絡がよく分かりませんでした。何回か見てなんとなく分かりました。ちょっとネタバレになります。

清国の知事は本当は捜索隊を送る気はありません。それで、アメリカ人領事に対して生存していた船員が救助され、事件に関わった原住民は処罰されたという偽の情報を流し、領事を厦門に帰そうとします。

知事は、役人を漢人の村に行かせ、船員殺しの犯人の首を用意して差し出すよう命令をします。3集落の長、朱、林、水は協議して誰かの墓を暴いて首(牛泥棒?)を2つ用意して役人に差し出します。

役人はその首を持って、領事のルジャンドルの元を訪れ「原住民と談判して犯人の首を取って来た」と報告。ピッカリングはその首を見て「信じるな。こいつは墓荒らしだ。原住民なら頭は剃らない」と叫びます。

役人は、犯人の首をもってきた。

役人は「知事は船員の家族たちに賞金の2割を、協力に感謝して領事のルジャンドルにも2割を差し上げようと言っている」と言います。「残りの6割は?」と領事。一瞬黙り込む役人。

ルジャンドル領事は役人に「ところで族長のInaイナには会ったのか?」とカマをかけると、役人は「もちろん族長のInaイナに会って交渉してきた。」 領事「Inaイナとはパイワン語で母親と言う意味だ・・・」

公使は嘘を見抜き、役人と知事に会いに行きます。劉将軍はこの嘘を許さず役人の首を刎ねます。この役人も上司の命令通りにしただけなのに可哀想なものです。

アメリカ人領事は捜索隊を出すように再度プレッシャーを掛けます。すったもんだの結果、領事のルジャンドルは劉将軍のアドバイザーとして同行を許されます。

ルジャンドル領事は、客家人の父と原住民の母を持つ召使いの蝶妹(tiap-moe)に案内させて原住民の村へ自分達だけで行こうとします。

第4話〜 第6話 殺害された船員を発見、海兵隊の派遣、内紛

第4話 The Backlands (後背地、山地)

アメリカ人領事一行は、柴城(ChaiCheng)、社寮(SiaLiao)と船員を探し、社寮で漂着した船員の死体を十字架に磔にしているのを発見する。激怒したルジャンドルは、社寮のリーダーの水阿の首を吊るそうとするが、蝶妹に「それがあなたの言う文明化か?」と止められる。保力(Bao Li)では遭難した船長の遺品を見つけ、遭難現場へと案内させる。

一行は、商船の遭難現場にたどり着き、残りの船員全員の死体を発見、死体はボートに乗せて海に流して水葬することにした。

領事一行が来たことを知った原住民は、洋人に復讐のため彼らを襲った。原住民の攻撃から逃げた領事一行は、「保力(Bao Li)」村で遭難した船長の遺品を見つける。

社寮の水阿は、原住民の朱雷に原住民の犬となって、洋人が来たらすぐ知らせると約束する。朱雷は水阿に、今後無断で領地に立ち入ったものは犬でも殺す、交易場所はこれからは社寮から統領埔に変更すると言い渡す。

第5話 The Feud (確執)

ルジャンドルは、ベル提督に船員は無事で原住民の村にいると嘘を付くが、これは原住民と平和的に交渉するための時間稼ぎで、蝶妹に急いで原住民にあって犯人を差し出すように伝えるよう命令する。

アメリカ海軍のベル提督はルジャンドル領事の捜索の打ち合わせをしていたが、そこへローバー号の乗員の死体が海岸に打ち上げられているとの報告が来る。ルジャンドル達が海に流して葬ったものだ。

ベル提督は、現地に軍艦を派遣し、船員を虐殺した原住民の懲罰のために海兵隊を差し向けると領事に言う。

蝶妹は弟の阿杰(jie)と山に行き卓杞篤と出会う。蝶妹は、犯人を差し出せば洋人は攻めて来ないと言うが、その瞬間に軍艦からの大砲が原住民の山に打ち込まれる。蝶妹の話は聞き入れてもらえず、部族に悪運をもたらすので山を降りるように言われる。蝶妹は弟の阿杰を残して山を降りる。

ベル提督は海兵隊を上陸させるが、原住民を侮った海兵隊の若い将校は、狭い谷間で原住民の待ち伏せにあって死亡し、海兵隊、軍艦は撤退する。

原住民の村では、難破した船員を殺害したことについていさかいが起きていた。船員を殺害した巴耶林(パヤリン)は「自分は洋人の侵入から村を守った」と言い、一人を取り逃がしたのは伊沙が自分の領地に入らせなかったからという。

卓杞篤はこの洋人殺害の件が解決するまで、部族にとって重要な五年祭と部族長の交代も延期すると独断で決めてしまう。次の部族長になるはずの朱雷は、自分が部族長になることも延期されたことが面白くない。

伊沙も卓杞篤の妹、瑪祖卡(マツカ)との婚約が破棄されたことを根に持っていて、朱雷をそそのかし卓杞篤を部族長から引退させようと企てる。伊沙は朱雷が部族長になった時には、港のある社寮をくれというが、港を抑えられると物資が入って来なくなるので、朱雷は同意しない。

第6話 The Rebellion ( 反乱 )

卓杞篤は、阿杰を伊沙に隠して匿っていた。阿杰は伊沙を裏切って漢人と駆け落ちした瑪祖卡の息子だからだ。

山を降りた蝶妹はルジャンドル領事に、原住民とは交渉できずに山から追い返されたと伝える。そして会った相手が伯父の卓杞篤だということは隠して、部族の一戦士に会ったと嘘を言う。

卓杞篤(トキトウ)の娘、烏米娜(Umi)は阿杰に原住民の戦士となれるよう課題を与えて訓練をする。また、自ら山を降りて3つの村の長と会って交渉する事をトキトウに申し出る。

イサは社領の水仔(シュイア)から、銃を入手し卓杞篤トキトウに対して戦の準備をする。また部族の矢づくりの名人に矢を作らせている。卓杞篤は、伊沙の企みに気づきそれらの矢や銃を取り上げる。また、伊沙の家や土地を外敵から守るという名目で監視の戦士を周りに配置する。

朱雷に対しても、伊沙と共謀出来ないように家に見張りをつける。

烏米娜(Umi)は、社寮の水阿の案内で柴城の村を見に行く。そして、水阿に頭領埔の土地をに貸し、社寮と統領埔の地代は今後5年間は払わなくて良い、その代わりに、洋人との戦いのため「銃を150丁用意するよう、もし出来ないなら、統領埔は保力の林阿九に貸す」と言う。

第7話~第9話 族長の娘、餌食になるのは?、生き残るために

第7話 The Formosian Princess (台湾のプリンセス)

清国軍が南下してくるので、柴城、保力、社寮の3集落は清国軍に対して、待ち伏せをして追い返すかどうか協議する。そんな3集落に対して、清国軍の劉将軍は、3集落に銀500両を与え、食料などを集落から徴発したりしないので安心するように。そして、清の側に立つなら集落の入り口に清国の旗を掲げるように命令する。

蝶妹は、卓杞篤と会うが、洋人を連れてきて原住民の山を侵す手助けをしていると責められる。蝶妹は、原住民の土地「斯卡羅(スカロゥ)」を守るためにやっていると言い合いになる。

第8話 The Prey (餌食)

蝶妹は、卓杞篤たち原住民が清国軍の駐屯地を夜間襲撃しようとしていることを知る。このことを原住民側に立って黙っているか、清国軍に伝えるか悩む。蝶妹は松明に火をつけて駐屯地を出ようとする。卓杞篤は、蝶妹に気づき銃を射とうと構えるが・・・

劉将軍は、コウロギが急に泣き止んだので、原住民が潜んでいることに気づき、山に向かって発砲させる。

劉将軍は、柴城、保力の村を回り利権を餌に清国に従って旗を揚げるように言う。保力の村では、林阿九が原住民から借りていた統領埔の土地について訴える。将軍は、すぐに部下に調べに行かせた。
そして清に従えば今後、統領埔は漢人のものであり、人口に応じて、柴城に2/3、保力に1/3与え、原住民には地代は払わなくてよいという。

劉将軍は、最後に社寮を訪れた。そこに統領埔には、すでに社寮の平埔族(字幕は熟番土民)が移り住んで食物も隠しているとの報告が。同行していたルジャンドルは劉将軍に害虫は焼き尽くしたほうが良いと進言。劉将軍は統領埔は、漢人の土地である、平埔族の家、食料は全て焼き尽くせと命じる。

蝶妹は水阿に対して、一刻も早く清国の旗を揚げれば、清国軍が村を守ってくれると言う。
水阿は、社寮に入って来る漢人が増えると自分たち平埔族は差別されている所がなくなる。原住民側につくしか生き残る道はないんだ、と。

卓杞篤は、部族の仲間と保力の村を訪れ、清国軍に対して一緒に戦おうと持ちかける。保力の林阿九は、卓杞篤ら原住民よりも清国に付くことにし清の旗を揚げることにする。

第9話 The Survivors ( 生存者 )

柴城や保力の助けを得られず、原住民の烏米娜(Umi)から貸してもらった統領埔も取り上げられてしまい、社寮の水阿(シュイア)は、やけになって集落の家や食料に火をつけて燃やしてしまう。

食料のなくなった社寮の住民は、今は柴城と保力のものになった統領埔の田の稲を盗み、保力の林阿九と争いとなる。

争いを止めに入った劉将軍は、一旦は争いを起こした水阿の首を切ろうとしたが、思い直して社寮に救援の食料を届けるように部下に命じた。これで社寮も清国の旗を揚げることになってしまう。

柴城、保力、社寮が全て清国側についてしまったので、卓杞篤はこのままでは原住民の支配する斯卡羅Seqalu(スカロゥ)には未来がないと案ずる。

劉将軍は原住民の村へ軍が進めるように道を切り開いていく。

第10話~第12話 風土病、海の彼方から来た、条約

第10話 The Plague (疫病)

清国軍は原住民の山への侵攻をすすめるが、風土病により兵士の多くが倒れ、気力や体力を失って行く。

卓杞篤は、部族会議で清国軍との戦いを決めようとするが、伊沙の反対で過半数の部族の賛成が得られない。それで山を降りてまず劉将軍と会うことにする。

領事のルジャンドルは卓杞篤に、犯人を差し出すように要求する。卓杞篤は犯人は自分だ言い、部下の不始末は部族長である自分のせいだという。

結局交渉は決裂し「それでは戦おうではないか」となった。ルジャンドルは「もし戦えば原住民は全滅するぞ」と言うが、卓杞篤は「どちらが全滅するかは、先祖の霊が決めることだ」と言い返す。

蝶妹は、兵士たちと同じ風土病にかかり重体となる。ルジャンドルは、彼女の母の墓を訪れ彼女の呪いを解いてくれるように祈る。

第11話 The Back of the Ocean (海の彼方)

柴城の朱一丙は、清国軍が村に入るのを拒み、原住民を追い払うかそうでなければ撤退して欲しいと要求する。劉将軍は原住民の住む山を焼き払うことを決意し油を集めさせる。

ルジャンドルとピッカリング、阿杰(蝶妹の弟)は、昔オランダ人が原住民の村に行くために通った川の跡を遡っていく。突然の原住民の待ち伏せ攻撃で、ルジャンドルは負傷し捕虜として連れ去られる。

ルジャンドルが目を覚ますと、そこは原住民の村で目の前には卓杞篤がいた。

第12話 The Treaty (条約)

油が清国軍の駐屯地に集められた。劉将軍は柴城と保力に原住民の山を焼き払う手助けをするように命令する。

卓杞篤は、清国軍と戦うために山を降りていたが、蝶妹と阿杰は劉将軍が山を焼こうとしている計略を伝える。卓杞篤は、これは罠ではないかと疑うが、それならと蝶妹が自分が先頭になり其の場所に行くと言い。おかげで保力の村人が運んできた油は、原住民のものとなり、山を焼く計画は防がれた。

原住民と清国軍の戦いが始まり、双方に被害がでるが領事のルジャンドルが中に入り戦いは終わる。

卓杞篤とルジャンドルは、将来同様なことが起きないように難破船の乗員が赤旗を掲げて上陸した場合は、殺害したりせずに漢人に引き渡すなどの取り決めをする。

蝶妹は許されて、原住民の族長の一族として山の村に帰ることを許される。

そして、思いもしなかった結末へ。

後日談 宮古島島民遭難事件と日本軍の台湾出兵

この話には後日談として、日本も関わってくる。(wikipedia参照)

事件は1867年のローバー号事件からわずか4年後の1871年に起きた。琉球王国の首里に年貢を収めに行った帰りの宮古島の住民66名を乗せた船が、遭難して台湾南東部に漂着した。

その内54名が原住民に殺害され、生存者は12人だったと言う。

日本政府は清国に抗議するが、原住民は「化外の民」(国家統治の及ばない者)であるといい、そのために日本政府は1874年原住民征伐のために約3000名の軍を送ることになった。

戦いの結果、斯卡羅の原住民は降伏した。その時の日本軍を指揮したのは西郷隆盛の弟、西郷従道(つぐみち)だった。

当時の写真に、西郷の両側に卓杞篤(トキトウ)と伊沙(イサ)が写っている。

更に、この時台湾出兵を強くすすめたのがアメリカ領事だったルジャンドルで、彼は日本外務省の顧問として雇われた。彼は、ローバー号事件の時に測量した地図などの資料を日本に提供し、日本軍はその地図にもとづいて、社寮に上陸し、柴城から統領埔を経由して進軍していった。

また宮古島島民の12人の生存者は、統領埔の林阿九にかくまわれ、社寮から船で台南府へ送られ、福建省経由で琉球に帰還した。

さて、この出兵での日本軍の戦死者は12名だった。ところが、劇中でも清国軍兵士がバタバタと倒れていた風土病のマラリアで、日本軍兵士も3000名の内561名が亡くなっている。

この後、歴史は日清戦争、台湾の割譲(1895~1945の日本の統治)、そして大東亜戦争へと続いて行くことになる。

まさかこんなふうに日本との関連が出てくるとは思いもしなかったが、「斯卡羅Seqalu:Formosa1867」を十分楽しめた1週間だった。

ぜひ12話全部お楽しみください。

(2021/10/22)(2021/10/26)

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